Wednesday, February 10, 2010

ニュース。今の中国に「純粋な漢族」など存在しない!DNA検査で明らかに―中国紙

こんなニュースがありました。

確かに、「漢族」という概念は血統的なものより文化的なものだと思います。

台湾人のうち7割以上は、文化的には自分を漢人だと思っていても、血統的には台湾原住民など東南アジア系の血が強いことが、マッカイ記念病院の学者の研究でわかっています。

漢人の同化された原住民―つまり平埔族の間では、自分たちが漢人なのか、原住民なのか、論争があります。私が屏東県のある平埔族の村に行ったとき、村の同じ家族同士でも、この論争のために対立しているのを目撃しました。

しかし、彼らも高雄などの大都会に出て行けば、何の変哲もない平均的な閩南系台湾人として扱われるのでしょう。

さて、台湾閩南人の原郷―中国福建省の閩南地域は、「閩」という字が示すように、蛇を先祖として祀る典型的な東南アジア系民族の居住地だったそうです。そこに、少数の漢文化を持った人たちが移住して、やがて多くの現地人が文化的に漢人化したそうです。

かねてから、台湾の漢人の中で東南アジア系の顔立ちの人が多いのは、マレー系の台湾原住民と混血したか、彼らが文化的にだけ漢人化したせいかと思っていました。道理で、中国の閩南人も東南アジア系の顔立ちが多いわけです。

その人たちが台湾に移住して、さらにマレー系と混血したんだから、余計東南アジアっぽいわけですよね。

私の妻の親戚や友達には極端に東南アジア系が強そうな顔立ちの人がいますが、家に先祖の仏壇もあるし墓にも中国の地名が書いてあります。そして、先祖のふるさとは広東省の潮州だといいます。普通、台湾人でそこが祖籍の人は客家人です。しかし、彼らは文化的には普通の閩南人の習慣を守っているのです。客家人がこのあたりに入植したという記録もありません。

その昔、台湾原住民で文化的に漢人の同化することにした人たち(今で言う平埔族)は、自分が周りのもっと漢人化が速かった人たちとちょっと違うことを正当化し、漢人として認めてもらうために、族譜を捏造して、適当に周りの人たちの祖籍地と少し違う場所を祖籍ということにしたらしいです。(潮州人ということにしておけば、自分のちょっと訛った閩南語も、「潮州語だ」といってごまかせますしね。)

そんなわけで、台湾にあまり来たはずのない広東省の地名を祖籍とするのに、現在文化的には閩南人として分類されている人たちがいるわけなんですね。

やっぱり、漢人にとって重要なのは血統よりも文化なんです。


今の中国に「純粋な漢族」など存在しない!DNA検査で明らかに―中国紙

2月8日15時7分配信 Record China
今の中国に「純粋な漢族」など存在しない!DNA検査で明らかに―中国紙
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6日、DNA検査の結果、中国には「純粋な漢族」は存在しないことが判明したと中国紙が報じた。写真は03年9月、北京周口店にある北京原人遺跡博物館で初めて公開された北京原人の頭がい骨。
2010年2月6日、中国紙・重慶晩報は、DNA検査の結果、中国には「純粋な漢族」は存在しないことが判明したと報じた。

蘭州大学生命科学学院の謝小東(シエ・シャオドン)副教授が行った中国西北地区に住む少数民族のDNA研究で明らかになった。漢族とは古くから河南省を中心とした「中原(ちゅうげん)」に住む人とされており、これまでこの地域に住む人々は比較的純粋な漢族だと考えられてきたが、謝副教授の研究結果はこの説を覆すものとなった。

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謝副教授によると、現在の陝西省西安市に都を置いた西周(紀元前1100年頃~紀元前771年)は漢族の王朝に間違いないが、春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年)になると、同じ陝西省の秦王朝は「戎(じゅう)」と呼ばれ、野蛮な異民族として扱われた。そのため、漢族とは特定の定義を持たず、周辺地域と区別するために作られた概念に過ぎないと謝副教授は説明した。

中原に住んでいた漢族は兵役や戦乱により、どんどん南下していった。時代の移り変わりとともに中国各地へと散らばり、やがて周辺民族や周辺国の人々と融合。純粋な漢族は、こうして徐々に消滅していった。現在、古代の漢族に最も近い文化を継承しているのは、少数民族の「客家(はっか)」だという。(翻訳・編集/NN)