Thursday, May 20, 2010

大阪弁はせちがらい!?

人々はある言葉を話す人々に対してステレオタイプを持っています。
それは、人々が持っている単なる偏見で、言葉そのものの本質とはあまり関係がないものです。
テレビ、特にお笑いやアニメなどを見ていると、人々がどのような言葉にどのようなステレオタイプを持っているかがわかって面白いです。
たとえば関西弁を話すキャラクターは趣味が派手だとか、お金にせちがらいとか、コミカルな性格が多いといわれています。
東北弁を話すキャラクターは、逆に素朴で情が厚いとか、広島弁は顔が怖いとか、鹿児島弁は剛毛とか、高知弁はスケバンとか、全部ステレオタイプです。
テレビを通してしか接したことのない方言に対するステレオタイプは、完全にテレビの影響で作られてしまうこともありえます。
たとえば、私は台湾のテレビで宮崎あおいさんと福士誠治さんが主演のドラマ「純情きらり」を見るまで、三河弁というのに接したことがありませんでした。
おかげで、私は三河弁というのは輝いている若い男女や、美しい姉妹が話している言葉かと思ってしまいましたが、インターネットで検索してみると、当の三河弁話者は、結構男性的で粗野な言葉だと考えている人が多そうです。
また、もうひとつの特徴は、自分の方言は「透明」に見えるというか、特定のステレオタイプが強く現れないことが多いということです。これは、英国など海外の研究でもわかっています。
私は東京弁の話者で、東京弁というのは本当に特徴がなくてつまらないなあ、と思っていましたが、インターネットを見ると、「男性が東京弁をしゃべっているのを聞くとオカマっぽくてキモい」と言っている他地方の人がいて、びっくりしました。(東京弁は関東や東海各地の「田舎者」の方言が混ざったものですので、強いて言えば「男性的」で粗野に聞こえるのかな、と自分では思っていましたから。)
また、ユーチューブに日本語の達者なオレゴン在住のアメリカ人がいますけれども、彼は各地の訛りの物まねが上手ですが、「自分が住んでいるオレゴンは一番なまりがなくてつまらない」と言っていました。しかし、他所に住んでいる者に言わせると、北カリフォルニア、オレゴン、ワシントン州なんかの発音は特徴的ですぐわかりますよね。もうcotcaughtdondawnの母音はほとんど同じになっちゃってます。
さて、各国語を話す人間に対するステレオタイプというのもあります。これもほとんど根拠がないです。欧州特に英仏では、戦争とかの関係でドイツに対する印象が悪いので、「ドイツ語は耳障りな言語だ」という人が多いらしいですが、そういう人にウインナーソーセージをつまみにおいしいビールを飲ませ、ヨハン・シュトラウスのワルツをバックグランドにゲーテの朗読を聞かせると、「ドイツ語っていいなあ」と言って態度が豹変するそうです。
逆に、同じ国で「イタリア語は音楽的ですばらしい言語だ」と言う人が多いそうですが、そういう人をナポリのスラム街に連れて行って、マフィアに誘拐されて頭にスキー帽をすっぽり被された状態でフィアットのオンボロ車のトランクに詰め込み、中世に作られた教会の前のでこぼこの石畳を走らせたら、イタリア語に対してまた違った印象を持つかもしれません。
以下は、まったく根拠のない、言語の本質とは無関係な、またその言語話者の国民性とも無関係な、単なる私の個人的な偏見です。そこから何が見えてくるかが興味深いかもしれないので、面白がって書いておきましょう。もしどなたかの気に触りましたらご容赦ください。
中国語:せっかちな人
フランス語:洗練された人
イタリア語:言動が大げさな人
ロシア語:酔っ払った人
ポーランド語:理屈っぽい人
スペイン語:喜怒哀楽が激しい人
ポルトガルのポルトガル語:感情を押し殺した人
インドネシア語:のんびりした人
タガログ語:気取った人

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